最終更新:2026年10月22日
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「スパイダーがほしいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいのか分からない」
テーラーメイドのスパイダーは、2008年の初代から、名前の違うモデルが次々に出ています。ツアー、ツアーX、GT、ZT。店に行くと、似た形のヘッドが何本も並んでいます。
なかでもプロの結果がいちばん出ているのが「スパイダー ツアーX」です。2026年のPGAツアーでは、38試合のうち11試合を、ツアーXを使った選手が勝ちました。モデル別でいちばん多い数です。
私のエースパターは、2010年発売の「ロッサ モンザ スパイダー MAX」です。10年くらい前に中古で手に入れて、ほかのパターを何本も試したあとに、このパターへ戻ってきました。最新のスパイダーも試打しましたが、エースは今も変わっていません。
この記事では、次の3つをまとめました。
- スパイダーの歴代モデルを年表で整理(日本で発売された主なモデル)
- プロがいちばん勝っているモデル(2026年のPGAツアーの勝利数)
- 世代ごとに何が変わったのかと、ネックの違い
- 古いスパイダーを今もエースにしている私が選ぶ「今買うならこの1本」
スパイダーはどんなパターか
スパイダーは、テーラーメイドのマレット型パターのシリーズです。ヘッドの外周に重さを集めて、芯を外したときもヘッドがねじれにくいように作られています。この「ねじれにくさ」を表す数字が慣性モーメント(MOI)で、スパイダーはこの数字の大きさを売りにしてきました。
ローリー・マキロイ選手やスコッティ・シェフラー選手が使っていることでも知られています。
PGAツアーでいちばん勝っているパターは「スパイダー ツアーX」

2026年のPGAツアーで、スパイダー ツアーXを使った選手が勝ったのは38試合中11試合。モデル別でいちばん多い数です(ゴルフ専門誌Golf Monthlyの集計・2026年9月1日時点)。スパイダー全体では13勝でした。勝った選手の多くは、年式や仕上げまでは公表していません。トーチドで勝ったと分かっているのは、6月のザ・メモリアル・トーナメントで勝ったJ.T.・ポストン選手です。
ツアーXで勝った主な選手です。
| 選手 | 勝数 | 大会 |
|---|---|---|
| スコッティ・シェフラー選手 | 3勝 | アメックス、セントジュード、ツアー選手権 |
| クリス・ゴッタラップ選手 | 3勝 | ソニー、フェニックス、ジョンディア |
| ローリー・マキロイ選手 | 1勝 | マスターズ |
| コリン・モリカワ選手 | 1勝 | ペブルビーチ・プロアマ |
※大会の正式名称:ザ・アメリカン・エキスプレス/フェデックス・セントジュード選手権/ツアー選手権/ソニー・オープン・イン・ハワイ/WMフェニックス・オープン/ジョンディア・クラシック/マスターズ/AT&Tペブルビーチ・プロアマ
ほかに、J.T.・ポストン選手(ザ・メモリアル・トーナメント)、ブラント・スネデカー選手、マイケル・ソーブヨンセン選手もツアーXで勝っています。
テーラーメイドの公式サイトでも、「Spider」パターは2024年以降、PGAツアーで最多勝利数を記録したと紹介されています(ダレル・サーベイ調べ、2024年〜2026年4月12日)。
女子も同じ傾向です。国内と世界のトップ10、あわせて20人の使用パターを調べると、「スパイダー ツアーX」を使う選手が3人いました。オデッセイ「ホワイトホット OG ロッシー」と並んで、モデル別で最多です。永井花奈選手(国内4位)、ネリー・コルダ選手(世界1位)、山下美夢有選手(世界4位)です。
国内7位の吉澤柚月選手は、同じシリーズの「スパイダー ツアー」(センターシャフト)を使っています。
→ 20人の使用パターについては、女子プロの使用パター一覧もあわせてどうぞ。
→ 吉澤選手のパターについては、7位・吉澤柚月選手の章で書いています。
スパイダー歴代モデル年表(日本で発売された主なモデル)

| 発売 | モデル | ここが変わった |
|---|---|---|
| 2008年 | ロッサ モンザ スパイダー | 初代。大きなヘッド |
| —— | イッチービッチー スパイダー | 初代をひと回り小さく |
| 2010年4月 | ロッサ モンザ スパイダー MAX | 新インサート(私のエース) |
| 2011年 | ゴースト スパイダー | 白いヘッド |
| 2017年 | スパイダー ツアー レッド/ブラック | 小ぶりなヘッド |
| 2019年3月 | スパイダーX | 中央に太いライン |
| 2021年3月 | スパイダーEX | 点と線の目印。ネック4種 |
| 2022年3月 | スパイダーGT | 両サイドに重いウエート |
| 2022年7月 | スパイダーGT(トラス) | トラスネックを初採用 |
| 2023年9月発表 | スパイダー ツアー シリーズ(ツアー/ツアーX/ツアーZ/ツアーV) | 形の違う4本で刷新 |
| 2024年3月 | スパイダー ツアー トラス(日本限定) | ツアー3機種にトラスネック |
| 2025年7月 | スパイダー ZT/スパイダー ツアーX | ZTは初のゼロトルク |
| 2026年 | スパイダー ツアー トーチド シリーズ(ツアー/ツアーX/ツアーF/ツアーV) | ブロンズ系の新仕上げ |
| 2026年6月 | スパイダー ZT MAX | ZTより約25%大きい |
各モデルの詳しい変更点
- 2008年|ロッサ モンザ スパイダー:初代。大きなヘッドと深い重心。後方のウエートを交換できる
- ——|イッチービッチー スパイダー:初代をひと回り小さくした形
- 2010年4月|ロッサ モンザ スパイダー MAX:新しいフェースインサート「AGSI c」。ウエート2個を交換できる(私のエースパター)
- 2011年|ゴースト スパイダー:白いヘッド。ジェイソン・デイ選手が2011年のマスターズで使用
- 2017年|スパイダー ツアー レッド/ブラック:小ぶりなヘッドとショートスラントネック。ダスティン・ジョンソン選手が使用
- 2019年3月|スパイダーX:中央に太いライン(トゥルーパス)。ネックはショートスラントとシングルベンド
- 2021年3月|スパイダーEX:3つの点と2本の線の「トゥルーパス」。ネックは4種類
- 2022年3月|スパイダーGT:両サイドに90gずつのスチールウエートを置き、外側に80%の重さを配分
- 2022年7月|スパイダーGT(トラス):三角形の「トラスネック」を初めて組み合わせた
- 2023年9月発表|スパイダー ツアー シリーズ(ツアー/ツアーX/ツアーZ/ツアーV):形の違う4本で一斉に刷新。フェースの裏に振動を吸収する素材
- 2024年3月|スパイダー ツアー トラス(日本限定):ツアー/ツアーX/ツアーZにトラスネックを組み合わせた3機種
- 2025年7月|スパイダー ZT/スパイダー ツアーX:ZTはスパイダー初の「ゼロトルク」。ツアーXはクランクネックとスモールスラントネック
- 2026年|スパイダー ツアー トーチド シリーズ(ツアー/ツアーX/ツアーF/ツアーV):ブロンズに近い新しい仕上げ。マキロイ選手が構えたときの見え方を変えようと塗装を炙ったことから着想。新しい形のツアーFを追加
- 2026年6月|スパイダー ZT MAX:ZTよりヘッドの体積を約25%大きくした
※日本での発売時期が確認できたモデルを載せています。限定カラー・ツアー支給品は除きました。
世代ごとの違い
初代〜MAX(2008〜2010年):大きなヘッドで「ミスに強い」を始めた
初代のロッサ モンザ スパイダーは、今のスパイダーよりひと回り大きいヘッドです。重心がフェースから遠く、芯を外しても球の勢いが落ちにくい作りでした。ヘッド後方のウエートを入れ替えて、重さを調整できます。
2010年のMAXは、フェースのインサートを「AGSI c」に替えたモデルです。メーカーは、打感をやわらかくし、球の転がりをなめらかにすることを狙ったと説明しています。ウエートは2個で、こちらも交換できます。
ツアー レッド〜スパイダーX(2017〜2019年):小さく、プロ向けに
2017年のスパイダー ツアー レッドは、イッチービッチーに近い小ぶりなヘッドに、短めのスラントネックを組み合わせました。ミスへの強さと、プロが求める操作性の両方を取りにいった形です。
2019年のスパイダーXは、ヘッドの中央に太いラインを引いて、目標に向けて構えやすくしました。このラインの考え方が「トゥルーパス」として、今のモデルまで続いています。
EX〜GT(2021〜2022年):重さの配分とトラスネック
2021年のスパイダーEXと2022年のスパイダーGTは、ウエートの置き方を細かく変えて、ミスへの強さを上げたモデルです。GTは両サイドに90gずつのウエートを置き、重さの80%を外側に配っています。
2022年には、三角形の部品でヘッドを支える「トラスネック」を組み合わせたモデルも出ました。
ツアー シリーズ〜ZT(2023年〜):形を4つに分け、ゼロトルクへ
2023年に発表されたスパイダー ツアー シリーズは、形の違う4本を同時に出しました。メーカーの数字を並べると、違いが見えます。
| モデル | 重心深度 | 慣性モーメント | 形 |
|---|---|---|---|
| スパイダー ツアー | 35mm | 5,700 | ウイング付き・最も深い重心 |
| スパイダー ツアーX | 33mm | 5,000 | スパイダーXの形 |
| スパイダー ツアーZ | 29mm | 5,050 | 外周が低い新形状 |
| スパイダー ツアーV | 27mm | 4,900 | ウイングなし・最も小さい |
重心深度が深いほど、ヘッドがまっすぐ動きやすくなります。浅いほど、フェースを開いて閉じる打ち方に合います。
2025年のスパイダー ZTは、シャフトを差す位置をヘッドの重心に近づけて、ストロークの途中でフェースが回りにくくした「ゼロトルク」のパターです。2026年のZT MAXは、フェースの長さを105mmから120mmに、ヘッドの奥行きを80mmから92mmに広げました。
ネックで選ぶ:自分の打ち方に合うのはどれか

スパイダーは同じヘッドでも、ネック(シャフトとヘッドをつなぐ部分)の形を選べるモデルが多くあります。ネックが変わると、ストロークの途中でフェースがどれだけ開いて閉じるかが変わります。


私のMAXは、スラントに近い短いネックです。それでもシャフトを水平に支えると、フェースがほぼ真上を向きました。トウハングはほぼ0°です。トウハングは、ネックの名前だけでは決まりません。買う前に店で、同じように支えて確かめると確実です。
| ネック | 向いている打ち方 | 使っている選手・モデル |
|---|---|---|
| スモールスラント | 少し開閉する・押し出し防止 | マキロイ選手(ツアーX) |
| クランク | 開閉を少なめにしたい | シェフラー選手・コルダ選手(ツアーX) |
| シングルベンド/ダブルベンド | 真っすぐ引いて出す | ツアーX(ダブルベンド) |
| センターシャフト | 目の真下で構えたい | 吉澤柚月選手(ツアー) |
| トラス TM1/TM2 | TM1は右、TM2は引っかけ防止 | ツアー トラス |
| ゼロトルク | フェースを回さずに打つ | ZT/ZT MAX |
迷ったら、いまのパターで多いミスから選ぶと決めやすくなります。右に出るならスモールスラントかトラス TM1、左に引っかけるならトラス TM2です。最後はトウハングの角度で確かめてください。
【体験】2010年のスパイダー MAXに、何度も戻ってくる理由

私のパターは、2010年4月に発売された「ロッサ モンザ スパイダー MAX」です。手に入れたのは10年くらい前で、中古でした。
当時の私はゴルフを始めたばかりで、パターが定まらない「パター迷子」でした。いろいろなパターを買っては替え、このパターのあとにも、スパイダー ツアー レッドなど何本か試しています。それでも、最後に戻ってきたのはこの1本です。

思ったところに打ち出せる
いちばん大きい理由は、自分が思ったところに打ち出しやすいことです。ヘッドの真ん中には、白いラインが入ったシルバーの板があります。
パンチが入っても、しっかり打てる
もう1つは、球をあまり弾かないことです。緊張して手に力が入り、パンチが入ってしまっても、しっかり打つことができます。
メルカリで買ったスパイダー ツアー レッドからも、戻ってきた
2017年のスパイダー ツアー レッドを、メルカリで買って使っていた時期もあります。傷や汚れのある中古で、送料込み6,800円でした。
ツアー レッドもなかなか良かったのですが、結局MAXに戻りました。理由はヘッドの大きさです。

最新モデルを試打しても、エースは変わらなかった
最新のスパイダーも試打しました。それでもMAXのほうが気に入っています。
理由はヘッドの大きさです。最新のモデルはヘッドが小さく、構えたときに不安になりました。MAXは、ヘッドの後ろに大きく張り出したウイングがあります。

塗装ははげる
ヘッドは塗装なので、使い込むとはげてきます。私のMAXもトップの縁の塗装がはげていますが、気にはなりません。
今買うならどれか:持ち主が選ぶ3本

大きいヘッドで安心したいなら:スパイダー ZT MAX(新品)
私が最新モデルで不安になったのは、ヘッドの小ささでした。2026年6月に出たZT MAXは、ZTよりヘッドの体積を約25%大きくしたモデルです。大きいヘッドで構えたい人に向いています。
ただし、ゼロトルクはフェースを回さずに打つ設計です。フェースを開いて閉じる打ち方に慣れている人は、店で一度打ってから決めてください。
\ 朝いちばんの1mでも「これだけ大きければ大丈夫」と思えるヘッドです /
長さは33・34インチから選べます。価格は変動するので、ボタンの先で確認できます。
プロと同じ1本を使いたいなら:スパイダー ツアーX(新品)
2026年のPGAツアーで最も多く勝ったモデルです。女子でも、国内4位の永井花奈選手、世界1位のネリー・コルダ選手、世界4位の山下美夢有選手が使っています。ヘッドは小ぶりで、ブレードに近い感覚で打てます。新品は、2026年モデルのトーチド(コルダ選手と同じ仕上げ)と、通常の仕上げのツアーXの両方が、テーラーメイドの公式サイトで販売されています(2026年10月時点)。トーチドと通常仕上げは、素材とロフト・ライ角が同じで、違うのは仕上げの色とラインです。
\ PGAツアーで一番勝っているパターが自分のバッグに入る! /
「有賀園ゴルフ公式」のボタンからは、ネックや色の違うツアーXも選べます。
予算を抑えて、大きいヘッドを試したいなら:中古のスパイダー
私のMAXも中古で、ツアー レッドはメルカリで6,800円でした。初代〜MAXの世代は、中古なら数千円〜1万円前後で見つかります(GDOの中古相場・2024年3月時点)。大きいヘッドが自分に合うかを、安く確かめられます。
メルカリなどの個人売買で買うときは、出品者にトウハング角を確認してもらうのがおすすめです。シャフトを台の上などで水平に支えた写真を1枚お願いすると、フェースがほぼ真上を向くか(ほぼ0°)、トウが下がるかが分かります。「ネックで選ぶ」の章の写真と同じ支え方です。
吉澤柚月選手と同じ「スパイダー ツアー」(センターシャフト)も、今は中古が中心です。
\ 名器MAXの世代を1万円前後で試せるチャンス! /
中古は1本ずつ状態が違います。塗装のはがれとグリップの減りを写真で確認してください。
まとめ

- スパイダーは2008年の初代から、「ミスに強いマレット」を軸に形とネックを変えてきた
- 2017年のツアー レッドでヘッドが小さくなり、2023年のツアー シリーズで形が4つに分かれた
- プロの勝利数がいちばん多いのはツアーX(2026年のPGAツアーで38試合中11勝)
- 2025年のZTでゼロトルクが加わり、2026年のZT MAXでヘッドが再び大きくなった
- 選ぶときは、ヘッドの大きさとネックの形を、自分のミスに合わせる
私は10年くらい前に手に入れた2010年のMAXを、今もエースにしています。ツアー レッドを使っても、最新モデルを打っても、戻ってきた理由はヘッドの大きさでした。小さいヘッドで不安になる人は、ZT MAXか、中古の初代〜MAXの世代から試してみてください。






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