最終更新:2026年8月29日
※本記事は公式サイト・選手本人や関係者のSNS投稿・各種メディア報道をもとに作成しています。情報の正確性を保証するものではありません。誤りがあればお問い合わせフォームよりご連絡ください。最新情報はJLPGA公式サイトや選手本人のInstagramでご確認をお願いします。
「絶対にゴルフはせえへん」
そう言い張っていた人がいます。得意先の接待ゴルフに、クラブまで用意されて半ば強引に連れていかれた大阪のお父さん。ところが行ってみたら面白かった。ひとりで通うのも気が引けるので、娘を連れていった。その娘が大人用のクラブでバンバン当てるものだから、家族ぐるみで沼にはまった——。
これが、山下美夢有選手という世界ランキング上位常連プレーヤーが生まれた、きわめて雑な出発点です。
身長150cm。女子ツアーでも最小クラスの体格で、飛距離では毎年下位に沈みます。それでも国内で年間女王を2度、メジャーを3度、そして2025年には「AIG全英女子オープン」でメジャーチャンピオンになりました。2026年8月には米ツアーの「CPKC女子オープン」を2位に9打差という記録的スコアで完全制覇。72ホール257ストロークは、LPGAツアーの最少記録タイです。
この記事では、すでに山下選手のインスタをフォローしている方にも楽しんでいただけるよう、いつもとは違う角度から素顔に迫ります。
- 「好きなものセレクション」 ― 公式プロフィールの趣味欄にただ一言「カラオケ」、顔より大きい但馬牛のステーキ、19歳で買った300万円の機械まで。本人の言葉と投稿から”好き”を拾い集めました
- 「苦手なものセレクション」 ― 9打差圧勝の週に本人が語った”意外な敵”、パリ五輪の16番で出てしまった「欲」。本人が公の場で語ったものだけを集めています
- 「他の選手のインスタに映る”もうひとりの美夢有”」 ― 吉田優利選手が「かけていい?」と確認してから浴びせたシャンパン、渋野日向子選手のリスペクト、竹田麗央選手とのボストン観光。本人のアカウントだけでは見えない姿を紹介します
まずは、その「好き」の話から始めましょう。
山下美夢有選手ってどんな人?|プロフィール早わかり

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 2001年8月2日 |
| 出身地 | 大阪府寝屋川市 |
| 身長 | 150cm |
| 血液型 | A型 |
| 所属 | 花王(2025年〜) |
| 出身校 | 寝屋川市立第七中学校 → 大阪桐蔭高等学校 |
| プロ転向 | 2019年(JLPGAプロテスト合格・92期生) |
| 通算勝利数 | 国内ツアー13勝(うち国内メジャー3勝)/米ツアー4勝(うち海外メジャー1勝) |
| コーチ | 父・勝臣さん |
| 趣味 | カラオケ |
| 憧れの選手 | タイガー・ウッズ選手 |
| ウェア・シューズ | ニューバランス |
| @miyuu_yamashita(約8.8万人/2026年8月時点) | |
| X(旧Twitter) | @MIYUU_YAMASHITA |
| YouTube・TikTok | YouTube公式/@miyuu.yamashita |
| 公式サイト | miyuu-yamashita.com |
ゴルフを始めたきっかけ ― 父の「せえへん」から始まった一家の物語
クラブを握ったのは5歳。父・勝臣さんの練習についていったのがきっかけでした。
その勝臣さんがゴルフを始めた経緯が、冒頭に書いたとおりです。得意先のゴルフに半ば無理やり連れていかれ、「絶対にゴルフはせえへん」と言っていたのにクラブまで用意され、行ってみたら面白かった。ひとりで行くのもなんだからと子どもを連れていったら、美夢有選手が大人のクラブでバンバン当てた——というのが、山下家の始まりです。
40代からゴルフを始めた方には、この「行ってみたら面白かった」の一行、けっこう刺さるのではないでしょうか。始まりなんて、案外そんなものです。
小学生時代には富士フイルム・スタジオアリスジュニアカップで2度優勝。大阪桐蔭高校に進み、2019年には全国高等学校ゴルフ選手権を制しました。
プロになるまでの道のり ― “現役女子高生プロ”の一発合格
2019年、プロテストの受験資格年齢が引き下げられた最初の年でした。高校3年生で受験資格を得た山下選手は、一発で合格。笹生優花選手や西郷真央選手とともに、初の”現役女子高生プロ”として注目を集めます。この3人は同期・同学年です。
同じ92期生には、西村優菜選手もいます。身長150cm、大阪出身、92期生——山下選手とプロフィール欄がほぼ丸かぶりの選手が、同じ年に同じ試験を通っていたわけです。
インタビュー&インスタから読み解く「山下美夢有選手の好きなもの」セレクション

🎤 カラオケ ― 本気度:★★★★★
公式サイトのプロフィール、趣味の欄に書かれているのは「カラオケ」です。
ツアー最少ストローク記録を持ち、世界の頂点を争う選手の趣味欄が、カラオケ。この振れ幅がいいんです。海外を転戦するようになって歌う機会が増えたのか減ったのかは分かりませんが、少なくとも本人が公式に掲げている”ゴルフ以外の顔”はこれひとつ。
📸 ソース:山下美夢有選手 公式サイト プロフィール
🥩 肉 ― 本気度:★★★★★
インスタを追っていると、勝った週も負けた週も、だいたい肉が出てきます。
神戸市中央区の店で「最高です」というコメントとともに投稿された但馬牛のステーキは、写真の中で本人の顔より大きく写っていました。しかも女性2人の前に3皿。祝勝会は焼肉屋で、鉄板からはみ出るハラミ。そして2025年、全英女子オープンでメジャー初制覇を果たして凱旋帰国したときの第一声も「焼き肉が食べたい」でした。
メジャーチャンピオンになった直後の希望が焼肉。ぶれません。
📸 ソース:本人のInstagram(@miyuu_yamashita)/ALBA Net・GDOの報道
🍮 デザート ― 本気度:★★★★☆
上の但馬牛の投稿、実は2枚目が本体だという説があります。手に持ったプリンを見つめる本人のアップです。
この写真にはファンから「デザート前の顔! 笑えます! 一番しあわせそうな顔しています!」といったコメントが並びました。試合中はほとんど表情を変えない選手が、プリンの前でだけ顔が緩む。ギャップの供給源として非常に優秀です。
📸 ソース:本人のInstagram(@miyuu_yamashita)
🐶 愛犬 ― 本気度:★★★★★
山下家は犬好き一家です。もともと2匹飼っていたところ、3匹目を迎えにペットショップへ行って”出会って”しまったのが「ペコ」。
「私も父も犬が大好きで2匹飼っていたのですが、もう1匹飼おうということでペットショップに行ったんです。そのとき出会ってしまったんです。見た瞬間、絶対に飼う! ってなりました」と本人が語っています。「めちゃめちゃ可愛くて、癒されまくりです。最近、実家に帰れないので会えなくて寂しいです」とも。
このインタビューは国内ツアーを主戦場にしていた頃のもので、いまはアメリカが拠点。ペコに会える頻度は、当時よりさらに下がっているはずです。
📸 ソース:ゴルフダイジェスト インタビュー
👨👩👧👦 家族 ― 本気度:★★★★★
このセクションだけは、星5つでも足りません。
父・勝臣さんはコーチ。母・有貴さん。1学年下の弟・山下勝将選手は2024年にプロテストをトップ合格した男子プロで、姉と同じく花王所属・ニューバランス契約。妹の蘭さんもゴルファーです。
米ツアーに主戦場を移してからも、ゴルフの相談相手は父。深夜だろうが娘から連絡が来れば「あー、起きます、起きます」とすぐ目を覚ますそうで、「どっちかというとアメリカ時間(で過ごしてるんと)ちゃう?」と笑っています。日本にいながら生活リズムがアメリカ寄りになっている父親。これはもう、実質チームです。
2025年の全英制覇のときは、両親と妹・蘭さんの4人で優勝トロフィーを囲んで記念撮影。「いつも一番近くで支えてくれた」家族にビッグタイトルを贈りました(弟の勝将選手はこの週、国内男子ツアーに出場していて不在でした)。帰国後の日本記者クラブでの会見でも、家族の話題で涙を見せています。
そして2026年6月の「マイヤーLPGAクラシック」優勝は、ちょうど父の日。プレーオフを制した直後のインタビューで、また泣きました。
📸 ソース:ALBA Net「優勝前夜は父娘で”深夜会談”」ほか
🐅 タイガー・ウッズ選手 ― 本気度:★★★★☆
公式プロフィールの締めの一文が「憧れの選手はタイガー・ウッズ」です。
150cmの選手が、パワーゴルフの象徴を憧れに挙げる。飛距離を真似するのは物理的に無理なので、これはおそらく「支配する感じ」への憧れなのだと思います。初日から一度も首位を譲らない完全優勝を何度もやってのけるあたり、意外と近いところにいるのかもしれません。
📸 ソース:山下美夢有選手 公式サイト プロフィール
📐 機械と数字 ― 本気度:★★★★☆
19歳のとき、弾道計測器を約300万円で購入しています。プロ入り間もない選手にとっては相当な”先行投資”でした。翌シーズンにツアー初優勝を挙げたあと、本人は「効果が出ている」と語っています。
感覚だけでなく数字で詰める。父とのやり取りが深夜に及ぶのも、そういう作業をしているからでしょう。
📸 ソース:THE ANSWER(2021年4月)
📷 カメラ ― 本気度:★★★☆☆
2025年12月、約1カ月ぶりのインスタ更新で報告されたのが「カメラを買いました」でした。ファンからは「芸術センスも世界レベルの可能性あるね」といったコメントが寄せられています。
海外転戦は移動と待ち時間の連続です。撮る趣味は相性がいいはず。今後インスタの写真のクオリティが上がっていったら、それはこのカメラのおかげです。
📸 ソース:本人のInstagram(@miyuu_yamashita)
🎱 ビリヤード ― 本気度:★★★☆☆
2026年7月、試合後のリフレッシュとしてビリヤードを楽しむ動画が投稿されました。ただし内容は、風格ある構えからの豪快な空振り。
ファンの反応は「同じ人間なんだと安心しました笑」。72ホールでツアー記録に並ぶ人が、キューでは空を切る。この投稿が伸びるの、よく分かります。
📸 ソース:本人のInstagram(@miyuu_yamashita)
💬 性格がわかるエピソード ― 「表情を変えない」人
山下選手のプレーを見ていて最初に気づくのは、顔がほとんど動かないことです。
2026年のCPKC女子オープン最終日、6打リードで迎えたスタートホール。本人は「やっぱり最終日なので、緊張もありました」と振り返っていますが、外から見て分かる変化はゼロ。それでも表情を一切変えず集中力を高め、2番でグリーン左サイド、約15ヤードのバンカーからチップインバーディを決めています。
緊張していないのではなく、緊張を顔に出さない。ここが観戦の第一のポイントです。
山下美夢有選手が”NO”を突きつけるもの|苦手なものセレクション

※このセクションは、本人が公の場で語ったものだけで構成しています。
🦟 虫 ― 苦手度:★★★☆☆
2026年8月、CPKC女子オープンで9打差の完全優勝を飾った直後のインタビュー。優勝そのものより印象に残る回答がありました。
「今週はプレーだけでなく、虫との戦いもあった」と振り返られた山下選手の答えが、「いや、本当に虫が多かったですけど(笑)。でも、それもゴルフなので、楽しんで4日間回れたと思います(笑)」。
日刊スポーツの一問一答では、この”虫”が蚊であることも記されています。カナダの夏、蚊の大群。歴代最少タイのスコアを出しながら、ずっと刺されていたわけです。苦手だけど、それもゴルフ。この着地の仕方に、この選手の全部が出ています。
😤 「欲」 ― 苦手度:★★★★★
2024年パリ五輪。3日目を終えて首位と2打差の3位タイ、メダル圏内で最終日を迎えました。
最終日は15番まで4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーと出入りの激しい展開を耐え続けたものの、16番のパー3で第1打がグリーン手前の池に沈み、ダブルボギー。最終ホールでバーディーを奪い返しましたが、3位と1打差の4位タイでした。
ホールアウト後、本人が口にしたのは「最終日に欲が出た」という言葉でした。小林浩美会長に抱擁されると、こらえきれずに涙を流しています。
技術ではなく「欲」を敗因に挙げる。この自己分析の厳しさは、翌年以降の戦いぶりを見ると効いていることが分かります。
🏆 「ディフェンディングチャンピオン」の看板 ― 苦手度:★★★★☆
2026年の全英女子オープン。前年覇者として臨んだ大会で、まさかの予選落ちでした。
重圧はなかったと言い切ったうえで、「自分の実力の問題。ショットもだが、2日間通してパットも決まってくれなかった」と語り、涙をにじませました。2日目は3番でトリプルボギーを叩いた後に耐えて予選突破の望みをつないでいましたが、最終18番でバンカーに何度もつかまり、このホールだけで8打。
言い訳の材料はいくらでもある場面で、まず自分の実力の話をする。ここも山下選手らしいところです。
🎯 練習場と本番の”ズレ” ― 苦手度:★★★☆☆
同じ全英の週、初日のラウンド後にコーチである父・勝臣さんと練習を繰り返して調整しています。それでも結果は出ませんでした。
「そこまで悪くはなかったが、練習場と本番では、(体の)動きがちょっと違っていた」——アマチュアが練習場では絶好調なのにコースでダメになるあの現象、世界トップクラスの選手にも存在するようです。
🚧 「まだまだ」で止まること ― 苦手度:★★★★☆
これは苦手というより、本人が自分に許していないことです。
2026年のCPKC女子オープンで9打差圧勝したあとのコメントが、「本当に2週間、日本に帰ってしっかり調整もしましたし、自信にもなりました。まだまだこれから頑張っていきたいなと思います」。ツアー記録に並ぶスコアを出した日に、「まだまだ」です。
💡 それでも、笑って4日間を回っている
苦手なものを並べてみると、虫以外はすべて自分に向いた矢であることに気づきます。
外部要因のせいにしている発言が、探してもほとんど出てこない。それでいて蚊の大群には「それもゴルフなので」と笑う。厳しさと軽さの配分が、この選手はとても上手です。
吉田優利選手、渋野日向子選手……周りが見た”もうひとりの美夢有”

本人のインスタは、正直そこまで更新頻度が高くありません。投稿数も控えめです。ところが周りの選手のアカウントには、山下選手がかなり頻繁に登場します。ここでは投稿者別に整理してみましょう。
🍾 吉田優利選手 → 「かけていい?」のシャンパン
2026年8月のCPKC女子オープン。山下選手が9打差で完全優勝し、単独2位に入ったのが吉田優利選手でした。日本勢ワンツーフィニッシュです。
最終18番でこの日6つ目のバーディーを沈めた山下選手がキャディーらとハグを交わし、グリーンを後にしようとしたところ、先にホールアウトしていた吉田選手が両手を広げて待ち構えていました。左手のシャンパンを指差しながら「かけていい? いい?」と嬉しそうに確認し、うなずく優勝者に「いくよ!」と声をかけて頭から浴びせた——という流れです。
この場面はSNSで「素晴らしい光景」「吉田の山下への気遣いが最高」と大きな反響を呼びました。祝福する側が「かけていい?」とわざわざ許可を取る。この一往復が、2人の関係を全部説明しています。
なお、吉田優利選手のこの日の2位は自己最高順位。妹の吉田鈴選手も同じ週に国内で戦っており、「私が優勝してあげられたら…」という姉妹同時Vへの思いも語られていました。
▶︎ 吉田優利選手の記事はこちら/吉田鈴選手の記事はこちら 📸 ソース:THE ANSWER、GDO(2026年8月24日)
🥇 渋野日向子選手 → 「先週も山下が23(アンダー)も出すから…」
同じ週、CPKC女子オープンで予選落ちを喫していたのが渋野日向子選手でした。翌週のFM選手権の事前会見で、山下選手の話題になります。
「おかしくはないですよね。先週も山下が23(アンダー)も出すから…」。かわいい後輩をあえてぶっきらぼうな呼び方をして笑ったそうです。記録的スコアで圧勝した山下選手について、渋野選手はかねてリスペクトを抱く存在だと語り、「いかに自分のいい部分を生かしてゴルフができるかどうか」を突き詰め、小さな体で世界の頂点を争うレベルにいる、と評しました。
ちなみに全英女子オープンの日本勢制覇は、2019年の渋野選手以来6年ぶりが山下選手の2025年でした。渋野選手が開けた扉を、6年後に同じ大会でくぐった後輩という関係でもあります。
▶︎ 渋野日向子選手の記事はこちら 📸 ソース:GDO(2026年8月27日)
👟 竹田麗央選手 → ボストンでニューバランス本社へ
竹田麗央選手が自身のインスタグラム(@rio_tkd402)に投稿したのが、ボストンにあるニューバランス本社を山下選手と訪問したときの写真です。両手にパンパンの紙袋を持った2人のショットも公開されました。
ニューバランス本社のあるボストンといえば、大谷翔平選手ゆかりのロッカーがあることでも知られる場所ですが、2人が記念撮影したのはそこではなかった、というのがこの投稿のオチです。
米ツアーで戦う日本勢同士、しかも同じブランドと契約している2人。遠征先での買い物仲間としても機能しているようです。
📸 ソース:竹田麗央選手のInstagram(@rio_tkd402)
😊 勝みなみ選手 → “美夢有&みなみ”のニコニコ2ショット
2026年のFM選手権の週、GDOの記事内で紹介されたのが勝みなみ選手との2ショットでした。米ツアーで戦う日本勢の中でも、この2人の並びはよく見かけます。
勝みなみ選手といえば、2022年の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ」で山下選手とプレーオフを戦った相手でもあります。最終日に「65」を出して猛追し、通算15アンダーで並んでプレーオフに突入。1ホール目で山下選手がバーディーを奪って決着——という激闘でした。あれから4年、いまは同じツアーで一緒に笑っています。
📸 ソース:GDO(2026年8月)
👧 妹・蘭さん → 「めっちゃそっくり」の姉妹ショット
家族の中でも、インスタに登場する頻度が高いのが妹の蘭さんです。
2ショットが公開されたときは「めっちゃそっくり」という声が相次ぎ、イ・ボミ選手も「カワイイ」と反応しました。2025年の全英制覇のときも、ウェールズまで駆けつけた家族4人の記念写真に写っています。
なお公式サイトでは、弟の山下勝将選手や蘭さんの活躍もこまめに報告されています。「姉のファンサイト」ではなく「山下家のポータル」に近い運用です。
📸 ソース:本人のInstagram、公式サイト
🎓 西郷真央選手・笹生優花選手 → 同期同学年の”高校生プロ”トリオ
2019年、プロテストの受験年齢が引き下げられた最初の年に合格した”現役女子高生プロ”が、山下選手・笹生優花選手・西郷真央選手の3人です。
同学年の3人が、いまそろって米ツアーで戦っている。しかも米LPGAの新人賞(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)は、1990年の小林浩美さん、2024年の西郷真央選手に続いて2025年に山下選手が受賞し、日本勢3人目となりました。同期がバトンをつないだ形です。
📸 ソース:ALBA Net、Wikipedia(日本語版)
💡 この章のポイント
山下選手本人のインスタは、更新頻度も投稿数も控えめです。だからこそ、周りのアカウントをフォローしておくと情報量が数倍になります。特に竹田麗央選手(@rio_tkd402)は米ツアーの日本勢の日常を投稿してくれるので、セットでフォローする価値があります。
コースでの山下美夢有選手|プレースタイルと観戦の楽しみ方

150cmの設計思想 ― 「精度とパッティング」
米ツアーに出れば、周りは自分より20cm以上背が高く、ドライバーで数十ヤード先を行く選手ばかりです。それでも山下選手のやり方は変わりませんでした。
コーチである父・勝臣さんの言葉が、この選手の設計図そのものです。「ショットでリズムを作り、そこからパターの調子を作るというのは徹底してやっていますね」。海外勢のパワーを前にしても「精度とパッティング。日本から変えていることはないです」。
飛距離で殴り合わない。曲げずに置いて、入れる。ルーキーシーズンからパーセーブ率5位、リカバリー率は全体1位という数字を残していたあたり、この路線は最初から一貫しています。
マネジメントで距離を作る
2026年のCPKC女子オープンで徹底していたのが、「3打目でフルショットできる距離を残す」というマネジメントでした。
パー5で2オンを狙えない体格なら、3打目を得意な距離に置けばいい。飛ばないことを前提に、コースを逆算して組み立てる。40代からゴルフを始めた方にとって、実はもっとも参考になるタイプの選手かもしれません。
記録で見る”精度おばけ”ぶり
数字を並べると、この選手の異常さがよく分かります。
- 18ホール「60」:2022年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン初日、12バーディ・ノーボギー。パー72での国内女子ツアー最少ストローク記録
- 年間平均ストローク69.9714:2022年、日本人選手として初の年間平均60台
- 86ホール連続ノーボギー:2021年に樹立したツアー記録
- 72ホール262ストローク:2024年大王製紙エリエールレディス(パー71)でのツアー最少記録
- 72ホール257ストローク:2026年CPKC女子オープン。LPGAツアーの最少記録に並ぶ
現地観戦するならここを見て!
- 表情:ほぼ動きません。「動かないこと」を確認しに行くのが正しい楽しみ方です
- セカンド以降の”置きどころ”:ピンにベタベタ寄せるより、次が打ちやすい場所に置いているケースが多い。飛距離のない私たちが真似すべきはここ
- 短いパットの淡々さ:1メートル前後をどう扱うか。ここに「精度とパッティング」の哲学が凝縮されています
- バンカーからのアプローチ:CPKCの2番のように、たまに離れ業を出します
山下美夢有選手の着用ウェア・スポンサー

ウェアとシューズはニューバランス
2025年2月からニューバランス(New Balance)とアパレル・フットウェアの総合契約を締結しています。契約発表時のGDOの記事タイトルが「目立つのはいい」だったあたり、色使いも含めて楽しんでいる様子。
なお弟の山下勝将選手も同じくニューバランスと総合契約を結んでおり、所属も同じ花王です。姉弟でブランドも所属も揃っている、なかなか珍しいケースです。
所属・スポンサー
| 区分 | 企業 |
|---|---|
| 所属 | 花王(2025年〜。前所属は加賀電子) |
| ウェア・シューズ | ニューバランス |
| スポンサー | YKK、東急ホテルズ、ダンロップ(住友ゴム)、エクスリフォ |
花王の公式アスリートページでは、山下選手をこう紹介しています。体格差から飛距離が伸びず悩むこともあったが、自身の強みである正確なアプローチを磨き、世界に挑んでいる——スポンサー側の紹介文としても、この選手の芯を正確に捉えた一文です。
応援グッズ
公式グッズサイト(goods.miyuu-yamashita.com)では応援扇子、うちわ、トートバッグなどが販売されています。現地観戦に行かれる方は、事前にチェックしておくと現場で浮きません。
経歴ハイライト|”最年少女王”から世界トップへ

2021年:ルーキーシーズンでの初優勝
新型コロナの影響で2020年と統合されたルーキーシーズン。2021年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」最終日に7バーディーという圧巻の内容で、2位に5打差の14アンダー、大会記録を更新して初優勝を飾りました。シーズンを通して1億円以上を獲得し、賞金ランキング13位という、ルーキー離れした成績です。
2022年:記録ずくめの最年少女王
5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で初日にコースレコードの「64」をマークし、最終日まで一度も首位を譲らず完全優勝。国内メジャー初制覇を果たします。
9月のミヤギテレビ杯では初日に12バーディ・ノーボギーの「60」でツアー最少ストローク新記録。11月の伊藤園レディスで日本人初の年間獲得賞金2億円突破を決め、21歳103日という史上最年少で年間女王に輝きました。シーズン5勝、年間獲得賞金2億3502万967円、平均ストローク69.9714(日本人初の60台)、トップ10入り21回。すべて1位という、ちょっと現実離れした1年でした。
2023年:2年連続の年間女王
5月には「ブリヂストンレディスオープン」で2位に7打差、翌週の「リゾートトラストレディス」で2位に4打差と、圧勝を2週続けて自身初の2週連続優勝。4日間大会での2週連続Vはツアー史上初でした。6月にはプロ3年でツアー通算10勝に到達。21歳320日は、宮里藍さんに次ぐ史上2位の年少記録です。
最終戦のリコーカップで大会2連覇を果たし、2年連続の年間女王を獲得しました。
2024年:パリ五輪4位と、アメリカへの決断
パリ五輪では3位と1打差の4位タイ。惜敗が続いたシーズンでしたが、11月の大王製紙エリエールレディスで完全優勝、通算22アンダーは大会新記録、パー71の72ホール262ストロークはツアー最少記録となりました。
そしてシーズン終盤、2025年からのLPGAツアー参戦を表明。12月のQシリーズ最終予選会では5日間合計27アンダーで1位、トップ通過で出場資格を獲得しています。
2025年:全英女子オープン制覇と新人賞
米ツアー1年目、「AIG全英女子オープン」でメジャー初優勝。日本勢としては6年ぶりの大会制覇でした。最終ロレックスランキング(女子世界ランク)は4位で日本勢トップ。11月には米ツアーの新人賞獲得が確定し、日本勢では3人目の受賞となりました。
シーズン2勝目は10月の「メイバンク選手権」。11月の「TOTOジャパンクラシック」では3位に入り、日本のファンの前でも走る姿を見せています。
2026年シーズンの成績・最新ニュース

主戦場:米国女子ツアー(LPGA)/ロレックス世界ランキング5位(2026年8月時点)
2026年はここまで17試合に出場し、2勝。トップ10入りは9回を数えます。
| 大会 | 結果 |
|---|---|
| CPKC女子オープン(8月) | 優勝(通算23アンダー・9打差/完全優勝) |
| AIG全英女子オープン(7〜8月) | 予選落ち |
| スコットランド女子オープン(7月) | 5位 |
| アムンディ エビアン選手権(7月) | 4位 |
| 全米女子プロ(6月) | 12位 |
| マイヤーLPGAクラシック(6月) | 優勝(プレーオフ) |
| クローガー・クイーンシティ選手権(5月) | 3位 |
| アラムコ選手権(4月) | 4位 |
| ファウンダーズカップ(3月) | 5位 |
| トーナメント・オブ・チャンピオンズ(1〜2月) | 5位 |
最新トピック
(2026/8/29追記) FM選手権(TPCボストン)で2週連続優勝に挑戦中。初日は10バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの7アンダー「65」で首位と1打差の2位発進。2番でグリーン奥からチップインバーディーを決めて流れを引き寄せました。2日目を終えて通算9アンダーの暫定首位タイでホールアウトしています。
(2026/8/24追記) 「CPKC女子オープン」で今季2勝目、米ツアー通算4勝目。初日から首位を譲らない完全優勝で、通算23アンダー・257ストロークはLPGAツアーの72ホール最少記録に並ぶ快挙でした。2位の吉田優利選手には9打差。日本勢の米女子ツアー通算70勝目、樋口久子さん、岡本綾子さん、福嶋晃子さんに続く4人目の”4日間完全V”でもありました。優勝スピーチは英語で、地元アイスホッケーチームへの「GO OILERS!」でカナダのギャラリーの心をつかんでいます。
(2026/8/25追記) 女子世界ランキングで5位に浮上。
(2026/6/21追記) 「マイヤーLPGAクラシック」でロティ・ウォード選手とのプレーオフを制し、今季初勝利・米ツアー3勝目。最終日は7位から5打差を追いつく展開で、優勝賞金は48万7500ドル(当時のレートで約7800万円)。父の日での勝利となり、優勝インタビューでは涙を見せました。
(2026/8/2追記) 全英女子オープンはディフェンディングチャンピオンとして臨むも予選落ち。最終18番でバンカーに何度もつかまり8打を要する苦い幕切れとなりましたが、「どの試合でも、立て直していけるように頑張りたい」と語っています。この2週間後に9打差圧勝を持ってくるあたりが、この選手の切り替えの速さです。
SNS・Instagramフォローのすすめ

Instagram:@miyuu_yamashita
フォロワーは約8.8万人(2026年8月時点)。更新頻度は高くありません。1カ月空くこともあります。
そのぶん、投稿されるのは「本人が本当に上げたかったもの」だけ。肉、デザート、愛犬、家族、そしてたまにビリヤードの空振り。タイムラインを埋め尽くさないタイプのアカウントが好きな方には、かなり相性がいいはずです。
その他のSNS
- X(旧Twitter):@MIYUU_YAMASHITA ― 試合後の一言や応援グッズの告知が中心
- YouTube:公式チャンネル
- TikTok:@miyuu.yamashita
- 公式サイト:miyuu-yamashita.com ― 弟・勝将選手や妹・蘭さんの近況も掲載されます
セットでフォローしたいアカウント
- 竹田麗央選手:@rio_tkd402 ― 米ツアー日本勢の日常はこちらの方が情報量が多いです
- 吉田優利選手:@yuri_yoshida__ ― CPKCのシャンパン投稿はここから
まとめ|山下美夢有選手を推す3つの理由

① 150cmで、飛ばさずに世界の頂点を争っている
女子ツアーでも最小クラスの体格。飛距離ランキングでは下位。それでも国内で年間女王を2度、米ツアーでメジャーを含む4勝。「飛ばないから勝てない」という言い訳を、この選手は完全に無効化しています。40代からゴルフを始めた私たちにとって、これほど教科書的な選手はいません。
② 苦手を、ちゃんと自分の側に置いている
パリ五輪の4位を「欲が出た」と語り、全英の予選落ちを「自分の実力の問題」と言い切る。外部要因の話をほとんどしません。それでいて蚊の大群には「それもゴルフなので(笑)」と笑う。厳しさの向け先が、いつも自分なんです。
③ 家族と一緒に強くなってきた
「絶対にゴルフはせえへん」と言っていた父がコーチになり、深夜でも電話に出る。弟はプロになり、妹もクラブを握る。全英のトロフィーは家族に贈られました。ゴルフを家族で楽しむこと——これって、実は私たちが目指している形とそんなに違わないのかもしれません。
次の試合はいつ? → JLPGA公式スケジュール/山下美夢有選手 公式サイト ツアースケジュール
山下選手のパターが気になった方へ
父・勝臣さんの「ショットでリズムを作り、そこからパターの調子を作る」という言葉どおり、この選手の生命線はパッティングです。その山下選手が使っているのは、テーラーメイドの「スパイダー ツアーX」。CPKC女子オープンを9打差で制したときも、このマレットが手にありました。
▶ 女子プロの使用パター一覧|国内外トップ10の20人を調査
世界ランク上位20人が実際に何を使っているかを、形状と参考価格つきでまとめています。山下選手は6位で登場します。飛距離では追いつけなくても、パターなら同じものが持てる。 40代から始めた身には、これが案外いちばん現実的な「プロと同じ」かもしれません。
関連記事
- 渋野日向子選手の記事はこちら ― 2019年の全英女子オープン覇者。山下選手が6年後に同じ大会を制しました
- 吉田優利選手の記事はこちら ― CPKC女子オープンで自己最高2位、シャンパンで祝福した同志
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